「私に彼氏なんてできないから、そんな心配しなくていいのに」

「……ま、まあ、そういうことにしておこう。あ、そろそろ学校行こっか?」

「うん……!」



……よし。

荷物を持って、日奈子ちゃんと家を出た。

日奈子ちゃんは電車通学だから、2人で電車に乗って学校に向かう。

なんだか、すごく視線を感じる……。

家を出てから学校に来る間、ずーっと見られているような気がした。

正門をくぐって、校舎に向かう間も、ひしひしと感じる視線。

やっぱり日奈子ちゃんといたら、目立つなぁ……。

こんなに可愛いから、目が行くのは仕方ないけど、日奈子ちゃんって毎日こんな感じで登校してるのかな……大変そうだっ……。



「なあ、日奈子ちゃんの隣にいる可愛い子、誰!?」

「そういえば、桃井さんがメガネ取ったら超可愛いって同じクラスのヤツが言ってたけど……」