「でも、私は桜ちゃんが可愛いこと、ずーっと前から知ってたもんっ」



ふふっ、日奈子ちゃんはこの冗談好きだなぁ……。



「可愛いのは日奈子ちゃんのほうだよっ」



可愛いって言葉は、日奈子ちゃんみたいな人に使うものなのに。



「私? 私なんて可愛いのかの字もないよ……!!」



きょとんと首を傾げた日奈子ちゃんに、苦笑いを返す。

こんなに可愛いのに自覚がないなんて……日奈子ちゃんはほんとに変わってるっ……。

日奈子ちゃんは、可愛くて優しい、とびっきり素敵な女の子だ。



「私が男の子だったら、とっくの昔に日奈子ちゃんに告白してるもんっ」

「えへへっ……私たち、相思相愛だね……!」



笑い合いながら、ぎゅーっと抱きしめ合った。



「桜ちゃんに恋人ができるのは、純粋におめでとうって思うけど……桜ちゃんを取られるみたいで寂しいっ……」