その姿は、男の人ならみんな好きになっちゃうくらいとっても可愛い。

女の私でも、きゅんとしてしまうっ……。

うん……万里くんの隣には、日奈子ちゃんくらいの女の子がふさわしいよねっ……。

変な噂が立つのも、仕方ない……。こんな地味で華のない人間が、あんなかっこいい人の隣に並んでいたら……みんな、おかしいって思う。

全部、私がこんなだからダメなんだ……。



「どうしたの? 浮かない顔して……」

「え? そ、そんなことないよ?」



心配をかけたくなくて、すぐに笑顔を作った。

日奈子ちゃんはまだ不思議そうな顔をしていたけど、それ以上追及してくることはなく、自分の席に着いた。



「もうすぐ修学旅行だね」



あっ……ほんとだ。

日奈子ちゃんの言葉に、1ヶ月後の7月に迫った修学旅行のことを思い出した。

修学旅行は、大阪に行くことになっている。



「そうだねっ、楽しみ」