どう考えても2人に非があるのに、相変わらずお人好しを発揮している桜。

文句の1つくらい言ってやりたかったけど、桜に完全に毒牙を抜かれてしまったらしい2人の姿に、俺は口を開くのをやめた。


食事を済ませ、千里と海里と俺はソファに座りながらテレビを見ていた。

桜は、キッチンで片付けをしている。

俺も手伝うと言ったけど、まだ父親と桜のお母さんの分のごはんも用意しなきゃいけないから大丈夫だと言われ、こっちに来た。



「地味ちゃんって、多分見た目以外は完璧だよね。いい子ってのはわかるし」



海里の言葉に、腹が立っていたが、こいつにしては褒めているということもわかった。



「そうだな。あれで可愛かったら嫁にするのに」



だけど、冗談か本気かわからない千里の口調に、いい加減黙っているのも限界だ。



「お前ら本当に―」