桜から皿を受け取って、テーブルに並べていく。



「へー、美味しそう」

「いただきまーす!!」



準備ができるなり、すぐに料理に手をつけた千里と海里。



「ん~、うっまい!!」

「地味ちゃん、なんでこんなに、料理うまいの?」



2人の反応に、少し複雑な気持ちになった。

……こいつらだけは敵に回したくないから、桜の魅力に気づかないでほしい。



「ひ、人並みだと、思います……。小さい頃から、作ってただけで……」

「まだ2日目だけど、家事も完璧だよね」

「ほんとほんと! 見た目以外は完璧~」



……気づかないでほしいけど、貶すのは許せない。



「……おい」



俺は静かに、2人を睨みつけた。



「万にぃこっわー。まあとりあえず、その前髪留めたら? あとメガネも。顔見えないもん」
「じつは可愛かったりしてね」

「それはないでしょ~」