「うん、じゃあそうする」



いつもより丁寧に洗ってリビングに戻ると、ちょうど料理が完成していた。



「もうできたの?」

「うんっ。お母さんたちも、もうすぐ帰ってくるかな?」

「そうだね。もう7時だし」



そんな会話をしていると、リビングの奥から海里と千里が歩いてきた。

今の今までゲームをしていたらしい。

2人とも成績が悪いから、遊ぶ暇があれば勉強しろよと思う。



「父さんと椿さん、遅くなるから先に食べててだって」

「……え? ……あっ、私にも連絡が来てました……」



海里の言葉にスマホを確認した桜が、画面を見てそう言った。



「食べよ食べよ! 俺もう腹ペコ!!」

「俺もお腹空いたな」

「は、はいっ……」



海里と千里に急かされるように、桜が慌てて食事の用意を始める。



「お前らも用意くらい手伝え」

「はいはーい!」