まだ怖い顔で男の子たちを見ている万里くんに、慌ててそう伝える。「行こう?」と言って、再び歩き出した。

不釣り合いだなんてみんな思っていることだろうし、私みたいなのが隣にいるなんて、普通おかしいくらい素敵な人だもん。仕方ない……。

きっと、両親が再婚しなかったら、接点なんてなかっただろうなと思うから。



「桜が平気でも、俺が無理」



万里くんは、不機嫌そうにそう言った。

どうしてそこまで怒ってくれるんだろうと思わずにはいられないけど……純粋に嬉しかった。私の分まで怒ってくれたことが。

それと同時に、やっぱり申し訳なくなる。



「あの……付き合ってるって噂、ごめんなさい……」



気をつかわせて、あんな嘘までつかせて……。



「どうして桜が謝るの? 俺が言ったのに」

「でも、万里くんの評判が……」



私のせいで、下がってしまうかもしれない……。