こんな友人がいると、藍に思われるのが恥ずかしい。

別にゼミが同じなだけで、友人でもなんでもないのに。



「宗ちゃん……私もいたい。……ダメ?」



……え?

藍の言葉に、驚いて目を見開いた。

まさかそんなことを言うと、思わなかったから。

いったいどういう意図で言ってるんだろう。

単純に、俺ともう少しいたいと思ってくれてる? それとも……藍もこいつらと、話したいのか?



「ダメ。子供はもう帰る時間でしょ」



少し、声のトーンが低くなってしまった。

絶対に無理。

俺の前で、俺以外の男となんて、話さないで。

そんな情けない独占欲を吐露してしまいそうになった。



「……っ」



藍が、悲しそうな表情で俺を見つめる。

そして、勢いよく俺の手を振り払った。



「子供じゃないもんっ、宗ちゃんのバカっ……!」