もう暗くなるだろうし、1人で帰らせるのは心配だから、車で送っていこう。

途中で、誤解も解かないといけない。



「これ鍵。105号室だから、先に課題してて。あんまり部屋のもの触らないでね」



自分がいない部屋に他人を上がらせるのは不安だけど、手段を選んでいられる状態ではないので、ゼミ仲間に鍵を託す。



「もう帰んの? いいじゃん、幼なじみちゃんも一緒に家入ったら」



うるさいな……と、うっとうしく思った。

お前たちと、藍を同じ空間におけるわけがない。

あわよくば仲良くなりたいという下心が丸出しなゼミ仲間に、そう吐き捨ててしまいそうになった。



「そうそう! 可愛い女の子がいたほうが作業捗るし!」

「ちょっと、あたしじゃ不満って意味?」



はぁ……もうやめてくれ。

険悪な空気を出す班員たち。