「ふふっ、もう遅いから寝ようか?」
そう言うと、こくりと頷いた乃々。
俺はそっと手を伸ばして、華奢な身体を抱きかかえた。
ふふっ、よっぽど怖かったのか……。夜にホラーものを見せるのは控えなきゃ。
お姫さま抱っこで、ベッドまで運ぶ。
その間も乃々は俺にしがみついていて、俺はぼんやりと、あー、このまま俺の部屋に閉じ込めちゃいたいな……と思った。
部屋の奥にあるベッド。
乃々がいつ来てもいいように、俺の部屋には2つのベッドが置いてある。
「乃々、ベッド着いたよ」
乃々専用のベッドに、ゆっくりとおろす。
おとなしく布団に入る乃々を見て、俺も自分のベッドに入る。
……はず、だったのに……。
乃々がきゅっと俺の服の裾を握ってきた。
「一緒……ダメ?」
「え?」
大きな瞳が、寂しそうに俺を見つめてくる。
「京ちゃんの隣がいいっ……」