突然のことに驚いたが、身体を半回転させ、向き合うような形で抱きしめ返す。ふわふわの髪を撫でた。



「乃々、起きてたの?」

「京ちゃん、いなくて、怖くて、待ってた……」



一度風呂に入って冷静さを取り戻しておいてよかった。

さっきの状態で、こんな可愛く縋られていたら……まずかったな。

俺にぎゅっとしがみつきながら、うるうるとした目で見つめてくる乃々。

俺はそっと乃々の頭を撫でて、安心させるようにやわらかい表情を作った。



「1人にしてごめんね」

「ん、んっ……」



頭を撫でた手を移動させ、頰を撫でる。

俺の手に擦り寄ってくる乃々の可愛さと言ったら……。



「怖かったね、もう大丈夫だから泣かないで」



優しく、指先で涙を拭った。



「な、泣いてないっ……」



首を振って否定する姿も、愛らしいことこの上ない。

あぁもう……たまんないな。