「っ、ダメ……!」



そう言ってさっきよりも強くしがみついたかと思うと、目に涙を溜めて、俺を見上げる乃々。

それを見た瞬間、ドクリと全身の血が沸騰した気がした。

……可哀想な乃々。



「呪われるのは、やだ……!」



こんな嘘に騙されて。

俺みたいな男に……捕まって。

でも安心して。俺は死ぬまで乃々のそばにいて、大事に大事にするから。

存分に甘やかして、俺なしじゃ生きられなくして……世界一幸せにしてあげる。



「きゃぁっ……!」



テレビから大きな効果音がして、乃々がびくりと震えた。



「京ちゃん、京ちゃんっ……!」



この映画、そんなに怖い……?

どう見てもB級映画って感じだけど……ま、乃々の可愛い姿が見られたからいっか。

そっと手を伸ばして、乃々の両脇に手を差し込んだ。華奢な身体は相変わらず驚くほど軽くて、そんなに力を入れなくても軽々と持ち上がる。