「えっ……自分でできるよ?」
「いいから、おいで」
俺がしてあげたいだけだから、という言葉は呑み込んで、笑顔で手招きする。
少し考えてから、乃々は言うとおりに俺のほうへ来た。
「し、失礼します……」
失礼しますって……縮こまって、可愛いなぁ……。
あー、このまま後ろから、ぎゅっと抱きしめたい。
「ふふっ、テレビつけてもいいよ」
乃々の髪をタオルで優しく拭きながらそう言った。
「うんっ」
首を縦に振って、リモコンを取りチャンネルを操作し始めた乃々。
いろんなチャンネルを見比べたあと、放送されていた映画番組で止まった。
「これ、なんの映画だろう?」
乃々の言葉で、ドライヤーをセットしながら、テレビの画面に視線を移す。
……ん?