「は? 愛音ブスじゃないもん」
ダ、ダメだ、止めなきゃ……!
かばってくれた気持ちはすごく嬉しかったけど、このままじゃ険悪な空気になっちゃう……!
「こうくん、落ち着いてっ……! 松沢さんごめんなさい。じゃなくて、えっと……ごめんなさい……」
まだ何か言おうとしていたこうくんをなだめて、松沢さんに謝った。
代わりに謝るなって言われたけど……でも、結局この言葉しか出てこなかった。
「ふんっ……」
鬱陶しそうに私を睨んでから、フィッと視線を逸らした松沢さん。
「てめぇ……」
「こうくんっ……!」
またしても突っかかりそうな勢いのこうくんを慌てて止めると、納得いかなそうな表情をしながらも、それ以上何か言うことはなかった。
ふぅ……なんとか収まった……。
そう安堵したけれど、このとき私は松沢さんに火をつけてしまっていたらしい。