どんな子なんだろう……。
少しドキドキしながら、教室の扉をじっと見つめる。
入ってきたのは、少し派手な外見をした可愛らしい女の子だった。
「松沢愛音です。よろしくお願いしますっ!」
黒板に名前を書いて、そう名乗った転校生。
松沢さん、かぁ……。
「えー、可愛い子じゃん!」
「女子きたー!!」
クラスメイトの男の子たちが、あからさまに喜んでいるのが目に入った。
ふふっ……みんな嬉しそう。
「どこにでもいそうなレベルね」
ぼそりと冷めた目でそう呟いた夏海ちゃんの声が耳に入った。
な、夏海ちゃんは絶世の美女だから、基準が高すぎるんだと思うっ……!
充分可愛い女の子なのに……と思いながら、苦笑いを返した。
「それじゃあ松沢は……そこの空いてる席に座ってくれ」
「はーい!」
あっ……こうくんの、隣……。