何それっ……そんなことで治るわけないのに……。

やっぱり打ち所が悪かったのかも……!



「ほ、本当に平気?」

「んー……やっぱりちょっと痛いかも。真由が隣にいてくれたら治るから、もうちょっとこうしてて」

「キィーーー!! ムカつくー!!!!」



私の手を握りじっと見つめてくるこうくんと、そんなこうくんを見ながら奇声をあげている夏海ちゃん。

収集がつかないこの状況にどうしようかと困っていると、タイミングよくチャイムの音が鳴り響いた。



「え、えっと、とりあえず席つこっか……」



といっても、私の席はこうくんの後ろで夏海ちゃんは私の隣。

3人の席は固まっているんだけど。

私が席につくと、2人もしぶしぶといった様子で座った。

ちょうど担任が教室に入ってくる。



「えー、今から転校生を紹介する」



開口一番担任が放った言葉に、教室内がざわついた。

あっ……そういえば、転校生が来るってさっき盛り上がってたな。ほんとだったんだ。