「…………」
う、うわぁ……。
こうくんの顔が……お、恐ろしい……。
一方、夏海ちゃんは満足げな顔。
「はーっ、すっきりした!」
「な、夏海ちゃんっ……カバンはさすがに……」
今のは絶対に痛かったはず……!
「……うぜぇ」
たったひと言そう言って、頭を押さえているこうくん。
「こ、こうくん、平気……?」
大丈夫かな……?と思い顔を覗き込むと、こうくんはさっきの怖い顔から一変、優しい笑みを浮かべた。
「うん。真由が心配してくれたから治った」
またしてもさらりと言うものだから、顔にじわじわと熱が集まる。