「佐藤さん、一旦新婦さんに電話するから
事務所戻ってきていいよ!」

土屋先輩からのインカムで我に帰った私は
「ありがとうございました^ ^」
そう一言だけ告げてプランナーのくせに
ハンカチをで濡れた肩を拭いてあげるような
気遣いの一つも出来ずに事務所へと戻った。

「あー佐藤さんありがとね〜」

「とんでもないです。」
自分でも驚くようなドラマのような
シチュエーションだったと先程の傘事件の
ことしか頭にない私の声はどこか上ずっていた。