「―!!」

シュウの声に、
ギリギリのところで包丁が止まった。


そして、ふとシュウの足元を見た時に、異変に気が付いた。



床に幾つもの水滴が溢れている
そしてそれはシュウの頬から留めどなく溢れ落ちていた。


― 涙 ?―



ケンタの全身が震えはじめていた。



「…ケンタ、頼む、夢を諦めないでくれ…オレだって必死なんだ…」



もう


ケンタも沸き上がる感情を抑えることが出来なかった



「…ぅ、う、兄ちゃん…!!」


膝から崩れると、手にしていた包丁は床に音を立てて落ちた。


「兄ちゃん、兄ちゃんゴメン、ゴメン…!!」


もう二人ともボロボロと溢れおちる涙を拭うことすらしなかった。


二人の4年前に交した誓いを、夢を繋ぎ直すかのように涙はとめどなく溢れ出た。




-シュウとケンタはようやくあの日に戻った-