「てめぇなめてんのか!!
誰がてめぇの言葉なんか信用するかボケ!!」


取り立て屋はそう言ったところで、ケンタが手に持っていた1万円に気が付いた。


「ふん、まぁこれはオレ達の交通費にさしてもらうわ」


そう言うとケンタの手から金をむしりとり、取り立て屋はアパートの出口へと向かっていった。


「あ、それから

お前の部屋にあったギターも利息用に売っといたから、まぁ2000円にしかならなかったけどな」


二人はゲラゲラと笑い合い、下に停めてあった車を出した。



「…」


一人部屋に入ると、ギターどころか、テレビや冷蔵庫やCDも無くなっていた。


「…あいつらムチャクチャしやがって…」


ふと床を見ると、写真立てが踏まれて割れていた。