「私はアイドルじゃなくて
普通の高校生だから。

目立っていいことなんて、
なにひとつないから」


出る杭打たれる、
それが世の常だから。


「でもさ、
うちの社長、凛花に目つけてるよ。

今、売りだしたら、
多分一番売れるだろうって。

事務所に連れて来いって、
毎回、言われるんだよな」


「ありがとう。

社交辞令だとしても、
すごく嬉しい」


鈴之助がお世話になっている事務所の
本郷社長はホントにいいひとで、

私と鈴之助の見た目の格差に、
いつも気を遣ってくれる。


「じゃ、鈴之助、頑張って」


「ちぇっ、
一緒に車に乗ってけばいいのに」


ブツブツ言っている
鈴之助に手を振り、

先に家をでた。