「ありがとう、鈴之助。

でも、あんな派手な黒塗りの車で
学校に行ったら
確実に目立つから、気持ちだけで」


鈴之助に視線を向けて
動きを止める。


はあ……


さすがアイドルグループのリーダー
やってるだけのことは、
あると思うよ。


ホント、癒し系の子犬みたいに
可愛い顔してる。

甘いキラキラオーラも
さすがだと思う。


……でもさ、
自分の顔が
そんなに大きく描かれた
Tシャツ着てたら、

すぐバレちゃうよね?


サングラスと、マスクの意味
全然ないよね?


なんて声をかけるべきか悩んで
一時停止してると、

私の視線に気がついたのか、
鈴之助が、パッと顔をあげる。


「あ、このTシャツ、いいっしょ!
LA在住のアーティストの人が
書いてくれたの。

俺の公式Tシャツ!

超似てるって、
めちゃくちゃ評判いい!」