「私…?」
……どう、かな。
「ドキドキときめくことはあるけど…」
悲しいとか苦しいとか、嫉妬はないような気がする。
……だけど、向葵くんに会えたら嬉しいって思うのも事実で。
それはどうして……?
「他の感情は分からない?」
私は、その言葉に小さく頷いた。
私の気持ちが分からない。
向葵くんに対してどんな気持ちを持っているのか。
……でも、知りたかった。
ううん。知らなきゃいけない気がした。
「……考えても、よく分からなくて…どうすればいいんだろうって……」
向葵くんと「恋」を知るために付き合った。
けれど、私にはそれが難しくて、難問を解いているような気分。