場所を移動した私たち。
沈黙が続くなか、重たい口を開いたのは、目の前にいる女の子。
「一昨日はあなたにひどいことをした。ほんとにごめんなさい」
そう言うと頭を下げる女の子。
えっ……
謝った……。
てっきりまた何か不条理なこと言われるのかと思っていたのに、呆気にとられポカンと固まる私。
「あなたが三浦くんと付き合っていると誤解して、あんなことを……」
そう言うと目を伏せたあと「もう別れて何の関係もないはずなのに」と弱々しく笑った。
あっ……
じゃあ、やっぱりこの子が向葵くんが一度だけ付き合ったって言ってた子、だ。
「どうしてもフラれたのが納得できなくて、三浦くんにメッセージを送ったの。『一度だけ一緒に出かけてくれたら諦めるから』って……。」