門をでたあとすぐに「…あの」と後ろから声をかけられる。

誰だろう?

そう思って振り向くと、一瞬ドキッと嫌な音が弾けて、記憶が蘇る。

一昨日の女の子、だ……。

また、ズキッと頭が痛んだ。

………もう、何これ。


「あの、ちょっと今いい?」


そう声をかけられるが身体が萎縮してしまって「えっと…」と言葉に詰まる私。

……どうしてまた会ってしまうの?

私には関係のないことなのに……。

できることならもう関わりたくないとさえ思ってしまう。

…それとも、私じゃなくて向葵くんに会いに来たのかな。


「……み、三浦くんならまだ教室にいると、思いますよ……。」


震える声で、精一杯呟くと。