何これ……。

どうして私、こんなに頭痛いの。

こんな痛み知らない。


「結衣、大丈夫?」


奈央ちゃんの声がする。

でも、何も答えてあげられない。

頭が痛くて、胸の奥が苦しくて、身体が鉛のように重たい。

……どうしちゃったんだろう私。


けれど、さっき奈央ちゃんの言葉を聞いて、心の中にある“何か”が一瞬光った気がした。

真っ暗なその中で、一瞬だけキラッと輝いた、それ。

──私は、それから目を背けて、厳重にカギをかけた。