ドク、ドク、ドク──…
奈央ちゃんの言葉が、私の心のペースを乱していく。
スカートの裾を無意識にぎゅっと握りしめて、唇を噛みしめる私。
……私、何も知らない。
ほんとに知らないのに……
ズキッ──
頭が痛い。
割れそうなくらいズキズキする。
……また、風邪振り返したのかな。
ううん、何かが違うような気がする。
でも、何も分からない。
何も、考えたくない──
「……ごめん。奈央ちゃん、ちょっと頭が痛い、かも…」
奈央ちゃんの問いかけられた言葉に何も答えることができずに、頭を抑えると「結衣…?」と心配する声が聞こえる。
だけどそのあとにズキズキと痛みは増すばかりで、顔を歪める私。