僕は急いで どんなリサイクルショップにももぅ売ってないんじゃないかっていうくらい古い冷蔵庫の中で冷たくなっているホールのケーキを取り出した


「持って帰って食べますか?それとも…」


狭い店内の東側には
一組だけ座ることができる木の机と椅子がある


見回すと冷たい店内に唯一温かく感じる場所だ

「ここで頂きます」

彼女が答えた


一年ぶりに開かれると思われる食品棚が固い音をたてて開く

アンティークの皿に
どこにでもあるような

いや

小学生の女の子が母の日に作るような

不格好な苺のショートケーキを皿にのせた