好きな人と同じ空間にいられるって、こんなにドキドキするものなんだ。


激しい心臓の鼓動、絢斗は気づいてないよね?


本当なら、この人は、私の上司であり総支配人という立場で超一流ホテルをまとめるトップの人。


だけど……


2人きりの時は、そんな風に思わなくてもいいのかな?


だって、総支配人とコンシェルジュ、その肩書きは、普段の生活をする上であまりにも窮屈だから。


1人の人間として……


ううん、1人の男性として見てもいいのかな?


付き合ってもない、結婚もしてないけど、やっぱり……


私は、絢斗が好き。


改めて、そう確信した。


確かに、工藤様や茅野君の想いに少しは気持ちも揺れたりしたけど、でも、絢斗への気持ちは間違いなく本物だ。


この想いをいつか声に出して言える時が来るのかな?


まだまだ……


それは、無理そう……かな。