怒っているんじゃなくて笑っていたんか~い! わからなすぎます!
「てっきりお怒りなのだと……」
「まあ、とにかく、余はこのスープが気に入った。毎日作っているのなら、余のところにも持ってこい」
「はい?」
「竜王様!」
 竜王様はお味噌汁がいたくお気に召したようで、まさかの注文が入りました。しかし、フォーンさんが慌てて止めに入ってきました。
「このような得体の知れない娘の作った料理を召し上がるのですか!?」
「そうだが? それに、食べているのは余だけではなかろう。なあ、ライラック」
「はい。厨房のみなさんが毎日食べてます」
 毒なんか入っていませんよ! それならとっくに厨房全滅しているっつの。
「しかし! 正式な使用人でもない娘の料理など」
 フォーンさんはまだ納得がいかないようで、抗議を続けています。