私は深く深く頭を下げました。ほんっっっと、お口汚しすんませんでしたっ!
 失敗は許されないようだから、このままお城を追い出されるんだろうなぁ。この先路頭に迷うのね。この知らない世界で生きていけるかしら。なんてこの先のことを考えながらお言葉を待っていたというのに。
「口汚し? いや、珍しい味で美味だったぞ? これはどこの料理だ?」
 かけられたのは、意外なことにお褒めの言葉。出汁のうまみは時空を超えたようです。出汁様様~!
「ええと、私の故郷の料理です。といってもたぶん正式なものじゃないんですけど、似たような食材で作っています」
「正式なものじゃない?」
「はい。こちらの食材と、故郷の食材が同じとは言いきれませんので」
「ああ……そうか」