「こいつらの数を数えたらここから移動させろ。──そうだな、庭の隅でもいい、広い場所に集めろ。スプルースはこいつらの返還に使う術式を早急に構築してくれ」
 眠りこけ、拘束されているヴァヴェル兵を広い場所に運んでいく使用人さんたちに、竜王様が指示をしています。
「適当に山積みにでもしておけばいいんじゃね?」
「私は正式な抗議文をヴァヴェル女王あてに作成しないと。それから、返還にかかる費用の計算も」
「こんな人数を一度に転移させるのは魔力消費が激しいから、五割増で料金吹っかけといて」
「五割? 五倍の間違いでしょう?」
「さすがインディゴ、がめついわ~」
 そばでは側近の方々が今後の対応なんかを話し合っています。
 現場は夜中にもかかわらず騒然となりました。
 こちらはこちらで、炊き出しの後片づけを、メイドさん総出でやっているんですけどね。
「ライラ」