家に入るとすぐに理久がいた。
「……姉ちゃん……?」
「……え……?」
「どうしたの?」
そう訊く理久。
「なにが?」
「なんか元気がないから」
理久は私の様子に気付いていた。
「そんなことは……」
「そう? 大丈夫?」
心配そうに訊いてくれる、理久。
「うん、大丈夫」
「ならよかった」
私の返答を聞いてほっとした様子の理久。
「……理久」
「うん?」
「ありがとう」
「いいよ、お礼なんて」
「じゃあ、私、部屋に行くから」
「うん」
そうして私は自分の部屋へ向かった。
部屋に入って着替えを済ませ、ベッドに横になった。
ベッドに横になった私は、ただぼーっと一点を見つめていた。
理久には大丈夫と言ったけど、本当はかなりの度合いで大丈夫とはいえない。
私はこれからどうすればいいのだろう……。
……光くん……光くんには……?
私はどうしようもないくらいの気持ちに襲われていた。