6月になり、部活を引退した私は、本格的に受験勉強を始めた。数三や物理は本当に難しくて、苦戦していた。

夏休みに入り、1日10時間以上の勉強をしていた。塾に友達がおらず、ある程度友達と喋らないと生きていけない私は8月の終わり人生で一番と言っていいほど病んでいた。

そんな姿をみた先生が
「何、勉強に疲れたふりしてるん?笑」
と言ってきた。
正直、わりと精神的にしんどかった私は内心、は?ふりじゃねーよ。と思った。
でも、これは先生の精一杯の私へ声をかけるきっかけの言葉だったのだろう。

この頃の私は、ずーっと先生と同じ大学に通いたくて先生と同じ大学を目指していたが、何でその大学を目指しているのか分からなくなってしまっていた。別に他の大学でもいいんじゃないかとかを考え始めていた。
だから私は先生にその大学のいいところを聞いた。
夜景が綺麗。
自然豊か。
などいろいろ言ってもらった。
「他にないんですか?」
と聞くと、
「うーん、あとは、俺と同じ大学に通えることかな。」
と言った。

先生のことが好きになっていた私は、

いや、それは、反則やろ。

と思った。