「ほらぁ、言ったでしょ。
お熱あるじゃない。」

「微熱だろ。問題ない。」

「ダメだよっ!
最近変な風邪が流行ってるの。
ね、先生。」

「はい。
少し休んで様子を見てみましょう。」

また面倒なことになったな。

昔からこの女といるとろくなことがない。

「私、もう授業ないからヒビキのそばにいるよ?」

「やめろ。
風邪ならうつったら面倒だろう。」

「ミヨリの心配してくれるの?
ありがとう♪
でも大丈夫!」

「心配じゃない。面倒なことが嫌なだけだ。」

「じゃあ、ミヨリが看病してあげるね。ヒビキくんの風邪ならうつってもだいじょうぶだから。」

「おい、人の話をきけ。」

「ミヨリがお粥作ってあげるっ!
ふーふーして食べさせてあげるね。」

もはや狂気すら感じる。

いつも逆らったら面倒なことになると甘んじた結果こうやって、病みを促進させたんだっけ。

「やっぱり大丈夫です。
家に帰ります。」

「えー、なんでー?
じゃあ、私も...。」

「お前は来なくていい。」

俺は構わず一礼すると、医務室を出た。