「由希ちゃん お手伝いばかりしていて 勉強する時間 ないんじゃないの。」

壮馬は、優しく 声を掛けてくれる。
 

「それが 由希ちゃん すごいのよ。この間の試験の結果 見てびっくりよ。」

由希の向かい側で 絵里加のママが言う。
 

「えっ、そうなの。俺にも見せてよ。」

壮馬が驚いた顔で、由希を見る。
 

「壮馬も 成績良かったけれど 由希ちゃんに 抜かれたね。翔クラスの出来だよ。」

絵里加のパパは 得意気な笑顔で言う。
 


「今回は たまたまだよ。受験勉強の 貯金があったから。」


謙遜する 由希の言い回しに みんなが 声を上げて笑う。