絵里加のママは、由希の肩を 抱きしめて 
 

「由希ちゃん、偉いわ。」


と笑った。由希も照れて微笑む。
 

「自分は 努力しないで 相手に 要求しても お互いに 不満が溜まるだけ。自分が 相手の為に 努力すれば 相手も 自分の為に 動くのに。」
 


そして 絵里加の家族は スキンシップを大切にしていると 由希は思っていた。


照れずに 抱きしめてくれるから 心が安定する。


「私に こういう機会を 与えてくれた 絵里ちゃんママ達に 私 絶対 恩返しするから。」

由希が 熱い目で言うと、
 

「いいのよ。由希ちゃんが 幸せになることが 一番の 恩返しだから。」


と絵里加のママは 笑顔で言った。
 


「小さな頃から 由希ちゃんを見ていると 自分を見ているようで 切なかったの。何か 私にできることがないか ずっと考えていたの。だから 由希ちゃんが合格して 一緒に暮らせて 本当に良かったわ。」


絵里加のママの 温かい言葉が 由希の心に沁み渡る。
 


「私こそ 毎日 楽しくて 夢みたい。本当にありがとう。」


由希は、感動に震える声で言った。