「わあ。由希ちゃん、久しぶり。また大きくなったね。」

庭伝いに 別荘を覗く由希を 絵里加は すぐに 気付いてくれる。
 

「おはようございます。」

と別荘にいる 絵里加の家族に、挨拶をする由希。


みんなが 優しい笑顔で 迎えてくれる。
 


由希は、この家族のことが 大好きだった。


みんなが 上品で美しい。

いつも 優しい笑顔で 由希に接してくれる。


お姫様の家族みたい、と由希は いつも思っていた。
 


「由希ちゃん、また 絵里ちゃんに似てきたね。」

絵里加のお祖母様が言う。


由希は 絵里加に似ている、と言われることが嬉しくて ニコニコと 笑ってしまう。
 


「由希ちゃん、これ絵里加のだよね。着てもらえて嬉しい。」

絵里加は、由希の洋服を見て 笑顔で言う。
 

「絵里ちゃんのお洋服、全部 よそゆきにしているの。」

と由希が答えると、



「ありがとう。由希ちゃん、可愛い。」

と絵里加は 由希を ギュッと 抱きしめる。