「由希ちゃん 学校は もう慣れた?」

母は 一番 気になっていたことを聞く。
 

「まだ一週間だからね。でも 友達もできたし 楽しいよ。絵里ちゃんと恭子ちゃんのおかげで 内部生とも 仲良くなれたし。」

素直に答える由希に、母は
 

「何、それ?」

と聞き返す。


由希の学校は 小学校からの結束が固く 中学や 高校から入学すると その輪に入ることは 難しい。

でも由希は 絵里加達の計らいで 小学校から上がってきた 同級生からも 自然に 受け入れてもらえていた。
 

そのことを 由希が 説明すると、
 

「そうなの。すごいね。やっぱり 特別な学校は違うわ。」

と母は驚きの声を出す。

そして その学校に 自分の娘が 通っていることが 誇らしかった。