披露宴は、豪華絢爛で盛大で。

でも 由希は 絵里加達の時よりも 落ち着いていた。


軽井沢の家族と 同じテーブル。

中学の制服を着た 妹の沙希は、
 

「お姉ちゃん、ずるい。なんで 制服じゃないの。」

と頬を膨らます。
 
「いっぱい 勉強したご褒美だよ。」

得意気な笑顔の由希は 軽井沢にいた頃よりも 朗らかだった。


内弁慶で 人見知りの沙希は、軽井沢から 出るなんて 考えられないのだろう。
 


「由希ちゃん すっかり垢抜けて 東京の人に なっちゃったね。」

祖母は 誇らし気に言う。
 

「由希 絵里加に そっくりだね。さっき 由希を見て 驚いたよ。」

祖父も 微笑んで言う。
 

「近くで見て 真似しているから。」

と言って 由希は笑う。