由希の高校生活は 思っていた以上に 順調だった。
恭子ちゃんが 言っていたように 付属上がりの子以外は みんな 一人で入学していた。
席の近い子や 名前の順が近い子とは 話す機会が多く すぐに 仲良くなれた。
「小島さんて 廣澤絵里加ちゃんの 親戚なの?」
入学式の翌日に 由希は 内部生の 青柳香澄に 声を掛けられた。
「うん、従姉妹なの。絵里ちゃんを 知っているの?」
逆に由希が問いかける。
「お姉ちゃんの友達の、お姉ちゃんが 絵里加ちゃんと 友達なの。ちょっと遠いか。」
と香澄は笑い、
「絵里加ちゃんって うちの学校では 有名だから。いいなあ。小島さん。」
と言った。