祖父と 別荘の掃除をした翌朝、由希は 特別な思いで目覚める。
「じいじ。絵里ちゃん達、着いた?別荘に 行ってもいい?」
起きるとすぐに 尋ねる由希に、
「由希ちゃんは、本当に 絵里ちゃんが好きねえ。」
と祖母は笑う。そして父は、
「今日は、パパ達 お出掛けするよ。由希は 行かないの?」
と言う。両親は 連休だから 家族で 出かけようとするけれど、
「私、絵里ちゃんと 遊ぶから。お留守番している。」
と迷わず答える由希。
祖父母も両親も やれやれという顔で ため息をつく。
急いで 朝食を食べて 由希は 絵里加の お下がりのワンピースに着替える。
10才も年上の 絵里加が着た洋服。
綺麗に管理された 高級な子供服は、古さを感じさせない。