「絵里ちゃんママ。クローゼットの中のお洋服 どうすればいい?」

由希は 階段を駆け下りて、聞く。
 

「あっ、そうそう。あれ 絵里ちゃんの お下がりなんだけど。由希ちゃん よかったら使って。」

絵里加のママは 控えめに言う。
 


「本当に?やったー。嬉しい。」

由希は、また階段を駆け上がる。



「何から何まで。本当に ありがとうございます。」

父が、しんみりと お礼を言う。
 

「こちらこそ。賑やかになって 嬉しいわ。」


智之と麻有子は、顔を見合わせて 優しく微笑んだ。