東京から来る お金持ちの従姉弟は 由希の憧れだった。
従姉弟達が来る前に 祖父は 別荘の手入れをする。
祖父について 別荘の中に入る。
「由希 いたずらをしないで 待っていてね。」
祖父は 由希に優しく言う。
由希は ソファに座って、祖父が 掃除をする姿を眺める。
一人 空想の世界を 旅しながら。
毛足の長いカーペット、重く厚手のカーテン。
家具も調度品も重厚で。
そこは お姫様が住む お城のようだから。
由希が 座っているソファも 適度な硬さで 座り心地が良い。
由希は 自分が お姫様になる空想をする。
その空想は、果てしなくて 飽きることがない。