由希の 新しい目標に、担任の先生も 塾の教師も 最初は驚いた。
でも由希の家が、廣澤工業の 親戚ということで 無謀な夢も 現実的に思われる。
由希は 上田市の高校の対策と 絵里加の高校の対策の 二本立ての 努力を始めた。
2学期に入ると 絵里加のママから 東京の塾を勧められる。
日曜毎に 新幹線で 東京の塾に通う由希。
地元の塾とは 比較にならない 高い授業料と 新幹線のチケットを 絵里加のパパは 負担してくれたらしい。
「お姉ちゃんに そこまでしなくてもって言ったら やるからには 悔いが残らないようにって言うのよ。」
母は 由希が 合格するとは 思えなかったから 微かな抵抗を続ける。
東京に不慣れな 由希の為に 最初 絵里加のママは 東京駅の 新幹線ホームから 塾まで 由希を 送ってくれた。
そして 東京の塾は とても刺激になった。
交通にも 講義にも すぐに慣れて 意欲的に 勉強をする由希。
成績も どんどん 上がっていく。