「だから不安なの。お姉ちゃんは 奇蹟だから。」


母達の話しに 由希は首を傾げる。
 

「世界を広げることは大切よ。私も 東京に出た時に はじめて 家族のありがたさが わかったもの。それに 努力することは 無駄にはならないわ。どんな形にしても 結果は出るから。」


絵里加のママの言葉に 祖父が静かに頷く。

そして由希を見て、
 


「良い伯母さんがいて よかったね。」

と言う。由希が笑顔で頷くと、
 


「伯母さんって嫌だわ。」


と絵里加のママが 頬を膨らます。
 


「何言っているんだよ。もう お祖母ちゃんのくせに。」


祖父の言葉に、みんなが 大きな声で笑った。