「そうよ。駄目でも もう一度 大学でチャレンジすればいいし。受かるかもしれないわ。」
絵里加のママは、母に言う。
母の 否定の表情が だんだん弱くなる。
「由希ちゃん次第だけど。本気で頑張るなら 全面的に サポートするから。」
絵里加のパパは 優しく 由希を見る。
「私、受けてみたい。駄目でもいいから チャレンジしたい。」
由希は母を見る。
「もう。お姉ちゃんが 余計な事言うから。」
母は 恨めしそうに、絵里加のママを見る。
「由希は 麻有子に似て 野心家だから。ここに 閉じ込めておくのは 酷だよ。」
祖父が静かに言う。
絵里加のママは クスッと笑い 母は ため息をつく。