「でもさ 絵里ちゃんママ 若くて美人だし。ママも 少し見習えばいいのにね。」

由希の言葉に 祖父は頷く。


仕事が忙しいとは言っても、身なりに 気を使わない美奈子に 軽い不満を 感じていたから。
 

「そうだよね。ママだって お化粧して おしゃれすれば 綺麗になるのにね。」


頭を撫でながら 言う祖父に、由希は頷く。
 


由希は 絵里加の家に 生まれたかったと思う。




両親が 頑張っていることは 認めるけれど。


絶対に 絵里加の家の方が良いと 思ってしまう。
 



「由希も、絵里ちゃんママみたいに たくさん勉強して 東京の大学に行けばいい。」


祖父は言う。




由希は もっと広い世界を 見るべきだと思ったから。




麻有子のように。