「東京の人って 思っていたよりも ずっと優しいよね。人は人って 認めてくれるし。」

由希の言葉に 大きく頷いて 
 

「たくさんの人が 暮らしているから。みんな 自分の足元を見て しっかりしないと 生きていけないし。どんな生き方も できる場所でしょう。だから 由希ちゃんに 来てほしかったの。」

絵里加のママの言葉に 由希は 続きを促す目をする。
 

「由希ちゃんなら 自分を しっかり持って 前向きに 生きられるって思ったから。色々な人がいるけれど 豊かで優しい人と 係ることで もっと 豊かになれると 信じたから。」
 

「全部 絵里ちゃんママ達の おかげだよ。」

控えめに言う由希に 絵里加のママは 優しく首を振る。
 


「由希ちゃんは 賢くて 感受性が豊かだから たくさん 優しいものに 触れてほしかったの。最近の由希ちゃん キラキラ輝いているわ。」

と笑顔で言う。
 

「軽井沢を出て 解放された気がするの。自分の妬みや僻みから。絵里ちゃんママ達が 守ってくれるから。どんどん頑張ろうって 思えるの。」

明るく言う由希を 麻有子は 温かく見つめた。