由希が 地元の高校に 通っていたら 今 弁護士になりたいと 思っただろうか。
多分 そんなことは 考えずに 東京の大学を 目指して 受験勉強をしていた。
大学に合格した後で 同じ夢を持ったとしても 今の由希より 出遅れてしまう。
上流階級が 遺伝するのは こういう事だと 由希は知る。
絵里加の家族のおかげで チャンスを与えられた由希。
自分が 上流階級になるために。
絵里加の家族の 枝を広げるために。
自分は 特別な生活を 手に入れたのだから。
帰りの電車の中 感謝と責任で 由希は身震いをした。